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    新しいトート

    • 2015.07.27 Monday
    • 18:26
      「エリザベート」ももう後半に入り、買いすぎたと思ったチケットも後僅か。
    それにしてもこれほど観る前と観てから印象が変わった公演も記憶にない。何度も書いたけれど私はこの作品がそれ程好きじゃなかった。その一番の理由はトート。この存在が胡散臭かった。エリザベートの話なら彼女をもっと主体にして描けばいいじゃないか、という想いがあった。「モーツァルト!」におけるアマでとは違ってトートっていうのは本当にわかりづらかったし、それゆえエリザベートもぼんやりした感じでもう一度観ようという気は全くなかった。(もちろん、一番の理由は私は祐一郎トートと芳雄ルドルフを知らなかった、ということだと思う。)
     
    だから芳雄くんが出なければ今回も観る気も無かったし、正直チケを手にしてもそんなに乗り気ではなかった。
     
     でも、それを一変させたのも井上トートだった。登場した瞬間から何だこの美しいキャラクターは!という衝撃。
    立っているだけで圧倒的な存在感。射るような目力、そこから魔術が出ているのではないかと思う美しい指先の動きにずっと釘付け。横顔を伺うシーンが多いのだけどあの顎の角度がたまらない。氷のような冷たい表情の奥に秘めた熱い想いが爆発するような荒々しい「最後のダンス」。黄泉の帝王が恋に落ちた瞬間の驚きの表情、確かめるようになぞるように空を辿る美しい指はおののきでもあり、直接でないとことがよけいに官能的。
      エコー響き過ぎているところもあるけどマイクの位置が他の人と全然違って全く目立たない。ビジュアルも完璧だ。
    2幕での片膝立てて座っているその横顔はディアギレフの「僕神の午後」の1シーンを思い出させる。
    「私が踊る時」での跪くポーズやはじめ、エリザにアウトと指差され出ていく前のあの恭しいお辞儀、あんな中世の王子様のようなポーズの一つ一つが心憎いばかりに決まるなんて正にプリンスの真骨頂! いっそのことタイツにカボチャパンツの完璧サファイア王子様姿(表現が古いか)を見せて欲しい。絶対似合いそう。

     はたまたコート姿でのカフェでのシーンやマイヤーリンクのあたりは革命家たちはみんな体格がいいこともあってあのブロンドの長髪を見るとオスカル?ならば青い軍服の古川ルドはアンドレ?と妙な錯覚も起こさせて慌てて国も時代も違う、と我に帰ることもしばしば。あと個人的に、髪を束ねているあの横顔がなぜかマイケルと被る。(「モーツァルト!」は生きざまが被ったけどまさかルックスで被ることがあるとは思わなかった。ダンス的には「ユイット」でのダンスが「Smoth Criminal」を彷彿とさせたけどね。)
      一幕の最後、フランツの歌から始まってエリザベートが階段を降りる姿をさらにその奥から見栄を切る様に見つめているシーンや、二幕の後半、フランツの悪夢。白い衣装になっての指揮からの歌が好き。今回はフランツが二人ともクラシックをしっかり勉強された方なので、トートとの競演?が聴きごたえ十分。
     ルドルフの死後、エリザベートに「お前はまだ私を愛していない」と突っぱねる一連は何かオペラチックな感じさえしてひとつ間違えると少女漫画?みたいな舞台に品を保ってくれている。・・・・子ルドルフとの場面など挙げたらきりがない。
    一幕の最後もそうだけどトート登場のシーンなどは歌舞伎っぽい。芳雄くんを王子、プリンスと呼びたいのは彼の姿、振る舞い、声に気高さを感じるからだと再認識した。
     
     ルキーニに語らせているけど、だけどこれはやっぱり実質的なトートの初恋物語なのだなって思う。
    白い衣装や今回はエリザベート母子から死を求めるという演出など芳雄トートに焦点を当てての演出だと思う。
    でもそれだけトートがはっきり見えたことでエリザベートもくっきりと浮き上がって今までと違って作品として楽しめているのだと思う。

     −と、まだうまく言葉にまとめられないけど、それくらいハマっている芳雄トートとの再会の前にこの次は城田トートと初対面。

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