世間(ミュージカルファン)ではエリザベートに対する期待度が溢れている。芳雄ちゃん自身やりたかった役と張り切っておられるようだけれど私自身の中では悲しいくらい期待度0。それは決して彼に期待していないという意味ではなく、キャラが違うと感じ。でも、それはリニューアルされたHPを見る限りでは演出の方が変わるのかなという希望に変わりつつある。残念ながら問題はそれだけではない。
前からこのブログを読んで下さっている方は御存知だろうが、私は過去2回この作品を観劇してがっかりさせられた経験がある。芳雄ちゃんが出なければ二度と見る気のない作品だった。脚本自体に納得できていないという致命的な理由が一番だけど、もう一つは演者の問題だと思う。同じ作品でも演者によってまったく違うものになってしまう。残念ながら私が観た過去2回にはかつての山口トートと井上ルドルフの「闇が広がる」のようなときめくような、これが観れるならエリザベートは誰でも許すなんて思えるようなシーンが一つも無かった。
今回にしても芳雄ちゃん自体にはそれなりの信頼はあるけれど、それにも増して他のキャストが発表された時点でがっかりしてしまった。未知数の人もいるけれどそれ以外にはがっかりしてしまう部分が多い。正直これを3カ月もやるくらいなら「モーツァルト!」を3カ月やって欲しかったとか未だに恨みに思ってしまったのが第一印象だった。同じ人が主演してもキャラ、キャスト等が違うと期待度は全然違ってしまう。ミュージカルって一人でやるものじゃないから。スタッフ、キャストいろいろな要素が混ざって一つの作品になるからいかにお気に入りの人が出るからと言ってそれですべてが許せるものでもない。
同じように、あるいは逆の意味で?地団太踏んでいるのが劇団四季。先日の芳雄ちゃんのディズニーコンサートで久しぶりにミュージカルナンバーを聴くとディズニーミュージカルも観たくなる。ましてや「アラジン」の話もあってそれなりに盛り上がっているだろう。でも、四季となるとチケットに手が出せないでいる。作品自体にはすごーく魅力を感じるけれどこれまで観てきて、四季は没個性でつまらない、という結論に達した。どんな作品か知る為に1回くらいは行ってもいいかなという気はしている。でも、どうしても観たい役者がいるわけではないからいつでも、今すぐ行かなくてもいいやと思う。ロングランじゃなくても何年か待てば再演されると思うから先延ばしにしている。
先日もこのブログ常連のOさんが作品ファンという言葉を口にした。でも作品というのはどこまでなのだろうか。原作があるものなら原作ファン、でも原作があっても舞台化されたらイメージが全然壊れちゃうこともあるから原作ファンイコール作品ファンでもないでしょう。同じことが歴史上実在した人物でもいえる。同じ作品でも演者が変われば作品のカラーは変わる。
最近はそんなことを悶々と考えたりしている。「モーツァルト!」を卒業なんて哀しみの矢先に「ディズニーコン」をやられたからはもうミュージカルはいいからもっと歌って欲しい!と、StarSで、そしてソロでなんて思ってしまう。
そんなわけでこの夏は「エリザベート」よりもゲスト出演するクミコさんのコンサートの方に期待している。