JUGEMテーマ:
日記・一般 慌ただしい毎日でなかなかブログをアップできませんでした。これも1週間前から書き始めたのになかなか進まず。来週まではブログのアップはたぶんちょっと無理、です。
「エオンナガタ」を観たのは金曜日。今回のギエムの来日公演は上野のチャリティ・ガラに始まってABプロそして地方公演での「HOPEJAPAN」までパーフェクトで観た。
この公演自体は別に区切られているだけに本当に全く違うスタイルの舞台だった。
同時に何を求めて会場へ足を運んだか、とか、どこまで予備知識を持って来たかによって同じパフォーマンスを観ていながら受けた印象も全く違うのではないかと、改めて思った。
思い出すのは、私が初めて劇場へ足を運んで観た舞台、東京バレエ団の「カブキ」。忠臣蔵とベジャールの振り付け、くらいの知識だけで興味を持って、忠臣蔵ファンの友人を誘って行った。忠臣蔵はテレビドラマや書物でも触れていたから大体の筋は分かっていた。でも寄り細かいシーンについては分からないことも多かった。が、同行した友人は歌舞伎ファンでもあったので確か「仮名手本忠臣蔵」を題材にした?この作品の細部が私などよりも遥かに理解できて楽しんでいた。正直自分の知識のなさが残念だった。
ちなみに私は今回、万全に近い状態で観た。
まず、NBSさんから案内のあった資料の本を読んだ。特に池田理代子氏の「フランス革命の女たち」は「ベルばら」や数年前帝劇で上演された「マリー・アントワネット」のモデルと思われる女性達についても書かれていたので面白かった。さらにNHKBSで深夜放送された「ギエムの挑戦」でメイキングシーンもあったのでいろいろなシーンが最終的にこうなったのか、と家庭と重ねたりした。その中でギエムは歌は下手と言っていたが、とんでもない、御愛嬌でもあったけどとってもよかったのでかえってびっくりした。それにセリフも流暢でへたな役者よりもよっぽど上手い。それにやっぱりフランス語は美しい!と改めて思った。
もちろん、何の予備知識もなく観ても十分に堪能できる。やはりギエムの身体能力の高さ、彼女自身の身体が作り出し線の美しさ、そしてその動きが残像のように描きだすラインの美しさも素晴らしい。落馬した後棒で身体を転がされるシーンやその後棒を杖代わりに起き上がるシーンなどまるでマリオネットが吊るされているかのように重力を感じさせない。もちろん伝説の6時のポーズ、足が見事なくらい顔の横をト通過するし、やっぱり開脚は180°ではない、200°だと思える。歩いているだけでもあの足の甲!これだけでも観る価値が十二分にある。
それとは別に、今回は前半は特に歌舞伎を想わせる「静」の演出、(あの大きな人形は文楽かな?)対照的なテーブルを使った俊敏な動き。中でもブリッジで降りるギエムの動きの美しさはやはり彼女がバレリーナ、というより元体操のオリンピック候補だったというキャリアならではなのだろう。お金や最新の技術をかけた演出ではないけれど、すごく印象に残るシーンが多かった。
とりわけ音楽、というよりデオンの書簡のナレーションをBGM?にギエムがペンを走らせるシーンは鬼気迫る感じがその動きや表情から溢れていて、バレエって音楽や演劇を表現しているなと再認識してしまう。
今回が最後の上演とかでもう一度観ることはないのかもしれないけど、できることならまた観てみたい。
NBSさんのツィッターより
一カ月以上にも渡って日本中を感動させて力づけてくれたギエムには本当に感謝でいっぱい。
しかもハードなスケジュールの合間に
こんなところにも足を運んでくれていた・・・・
Merci beaucoup!
来年もまた来日してくれるだろうか・・・・なんて今から心配することではないし、それ以前に来てくれた時にまた、あるいは今年以上に追いかけられる自分であることが最優先。