JUGEMテーマ:
日記・一般 WSを見て東京厚生年金会館に幕が下ろされたと知った。
最近はあまり行かなかったけれど、試写会やコンサートはもちろん、国際フォーラムやオーチャードホールができる前は海外からのバレエやミュージカル公演を観に行った。
初めて、「海賊」を観て、こんなに男性ダンサーの見せ場がある演目があるのだと驚いた。当時は今よりももっと不勉強だったから、誰だかも記憶していないが、もしかしたらあれは若かりし頃のルジマートフだったのかもしれない。開演前にスーツ姿の若い男性が階段の手すりをバー代わりにしてグラン・バットマンをしたところに出くわしてお互いバツが悪かったのも覚えている。 でも見事に足が上がっていたからプロのダンサーだったのかもしれない。でも、あの頃は観るのは好きだったけれど、自分がいい歳をしてバレエをやる気になるとは考えもしなかった。
最後に行ったのは「サウンド・オブ・ミュージック」だったと思う。安奈淳さんが演じた時以来でトラップ大佐はイメージとは違ったけれど、昔とは違うシーンで泣けるのはそれだけ自分も跨いできた日があるからなのかなって思った。
でも、なによりも一番のここの思い出は安奈淳さんのコンサート。
確か宝塚を退団して2年くらい、二度目のコンサートがここ、だった。当時はミュージカルの主演を何作かされて、私もミュージカルの魅力は感じていたものの、やはり宝塚のショー、男役への未練は断ち切られてはいなかった。
当時のプログラムを引っ張り出していないので、あやふやな記憶だけど、コンサートの後半、洋楽の「You light up my life」「歌の贈り物」 からシャンソンの「そして今は」。曲の余韻すら酔いしれた。そして圧巻は「黒い鷲」。あれを聞いた時はもう大階段もミラーボウルもゴージャスな羽根を背負った衣装も、もうなにも要らないと思った。当時まだ小娘の分歳で生意気だけど、あの曲の中のヒロイン、彼女自身の人生に対して誰ももう何も言えない、って感じた。
確か1月頃だったと思う。終演後、新宿駅までの道程が全く寒さを感じなかった。それどころか、駅を通り越してしまったくらい。それくらい、幸せ、とは違ったけれど、満たされていた。
あの時の厚生年金会館で私は宝塚と自然に決別した。
あれから、随分と年月は流れたな。
PR
calendar
selected entries
categories
archives
links
profile
search this site.
others
mobile
powered